仕事や趣味、恋愛が長続きしない人が多い一方で、何年間もやる気がみなぎっている人もいます。その違いはどこにあるのでしょうか? 劇団四季の女優として6年間在籍した筆者が、モチベーションの維持の仕方についてまとめました。今から簡単に実践できることばかりです。

なぜやる気が続くのか?

私はかつてミュージカル「ウィキッド」ネッサローズ役、「サウンドオブミュージック」シスターマルガレッタ役、シュヴァイガー役を長年させていただいていたのですが、いつ舞台に立っても「やっぱり舞台って最高」と思える日ばかりでした。

これは表向きな感想ではなく、退団後3年経っても思うこと。しかし何年もモチベーションを維持し続けることは難しいですよね。

仕事や趣味など、やる気を続けるにはどうしたらいいのでしょうか?

やる気がないときこそ、上手に自分をあやそう

やる気が出ない時には、そんな自分を責めるではなく、赤ちゃんをあやすかのごとく上手に自分のことをあやしてあげてください。

赤ちゃんを抱っこして、ゆらゆらと揺らしながら「おーよしよし」とあやすイメージです。真面目で一生懸命な人ほど、やる気が出ない自分のことを責める方向になりがちですが、数年単位で向上し続けるにはその方法は不向きです。

数年単位でも毎日やる気の出る方法をまとめました。

練習したくないときはどうする?

劇団ではとにかく練習がモノを言います。ここでは自主練やお稽古などのことを書きますが、仕事や趣味、人間関係や恋愛など、ご自身のお悩み事に重ね合わせて考えてみてください。

練習不足を言い訳にしたくない

やる気が出ない時でも、毎日自主練は続けていました。やる気があるときだけ練習していたら、やる気がない練習しない日も出てきます。プロとして練習にムラがあるのはいかがなものか?と思っていたのもありますが、

「私はまだ本気を出していないだけで、練習をすればきっとうまくなるのに」と練習をしないことを言い訳にしたくなかったのです。

「自分の中で最高に練習を頑張ったけど、至らなかった」なら、またがんばる方向性を変えればいいだけじゃないですか。

もし毎日少しずつでも練習をしていれば、現状維持か向上することはできますが、何も練習をしないと現状維持どころか能力は下がっていきます。

ピアノの前に座る

「ピアノの前に座るだけでもいい」と自分の中で自主練のハードルを下げることによって、「少しだけピアノを弾いてみようかな」→「1フレーズだけ歌ってみようかな」→「1曲だけ歌ってみようかな」と思うようになり、結局1時間くらいは練習することになります。

やる気が起きてから練習をするのではなく、やる気がなくても毎日決めた練習は絶対に続けることが大事です。

5分だけ集中してみる

たまにはとことんやる気がない時もやってきます。そういうときには、時間を決めて集中することにします。たとえば5分だけ集中するなら、簡単に実践できそうですよね。

完全オフの日にする

どうしてもやる気が出ないなら、いっそのことその日はオフにしてしまいます。オフにすると決めたら、舞台のことは一切考えないようにし、練習もしないようにします。

オフの日にすると決めたものの、「やっぱり練習をした方がいいかな」と悩むのもやめます。休むと決めた時にきっちり休むと、翌日からまた練習が楽しくなります。

ここでお気づきの方も多いと思いますが、舞台の練習は稽古に次ぐ稽古の毎日です。舞台上の華やかさは一瞬で、地味にコツコツ練習する毎日が続きます。

オフの過ごし方

練習は絶対にしないと決めたら、次はいかに有意義に休日を過ごすかにシフトチェンジします。休日に何もしないという選択肢もありますが、何かに熱中して痛い私は休日を過ごすのも一生懸命です。

劇やドラマ、映画などを観る

俳優は台本通りに作品を作ることが仕事なのですが、舞台上の上でいかに求められる役割を演じるのかは、日頃の生活にかかっています。普段どんなふうに生活しているのか、本人の考え方や価値観が演技に反映されます。

劇やミュージカル、ドラマや映画などを見れば、感じたことのない気持ちを体験できるし、乾燥した心が潤います。主人公に気持ちを重ねるのもいいですが、脇役の視点から作品を見ると、物語はまた違った世界になります。

なぜしたくないのか、自己分析する

やる気がどうしても湧かない場合には、なぜしたくないのか自己分析をしてください。なんとなくもやもやした気持ちの原因を知れば、すっきり解消します。」おすすめは思いつく限りの原因や気持ちなどを紙に箇条書きで書き出すこと。

全部書き出した後に、客観的な視点で分析すれば、答えは見えてきます。

やめたと仮定して過ごす

心が摩耗して、もう疲れ切って何もしたくないと思ったら、「今日で全部やめた」ことにして過ごします。劇団を離れたつもりで生活をすると、見えなかったものが見えるようになります。

たとえば劇団の練習漬けの毎日が嫌になったら、今すぐ電車や飛行機に乗って、誰にも連絡せずにこっそり暖かいところに旅行に行くとか、ケータイの電源を切って鍵のかかった箱に入れて、稽古着などもゴム袋に入れて、耳栓をして寝るとか。

「やめたい」けど「やめていない」状況の場合には、まだ未練がある証拠です。やめたと仮定して過ごすことによって、気持ちは少し楽になります。

「私はいつでも劇団をやめることができる」という選択肢を持っておくと、「いつやめてもいいから、今日は最後の日だと思って、今日だけがんばってみよう」と思えるようになります。

やりたくない日をどう乗り切るか

やる気が出ない日は誰にでも来ますが、せっかくなら情熱を持って舞台に立ちたいと思って6年間の舞台生活を過ごしてきました。舞台は、高いお金を払って観に来てくださるお客様がいます。

私にとっては何百回のうちに1回の舞台でも、この日のために仕事をがんばっている人もいるんだなと思って、舞台に臨んでいました。

かつて悩みを抱えて舞台を観に行った私が、たった数時間の舞台を見て気持ちが軽くなったように、誰かの気持ちが大きく変わるきっかけになればいいなと思っていました。

自分の気持ちの正直なまま、やる気のでない毎日を上手に乗り越えてみてくださいね。